発表要旨(2004年度大会)

  • A-1
  • 畜舎構造のパターン化と全体およびブロック別建築工事費
  • 干場信司(酪農大)・高瀬博志(高瀬計画工房)・小林敏道(コバ建築事務所)・森田茂(酪農大)

 フリーストール乳牛舎とつなぎ飼い乳牛舎および肥育牛舎の合計3種類を対象とし、それぞれ2~3種類の平面計画を想定した。さらに、それぞれの平面計画に関し、木造と鉄骨の2種類について一般的な図面を提示すると共に、積雪荷重別の工事費を算定した。

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  • A-2
  • 畜舎パネルの釘打ち面内せん断実験
  • 小川秀雄(神奈川大)

 畜舎に使用される輸入パネルについて、接着剤を使用せずに釘打ちのみでパネルを構成した場合の耐力等を確認するための面内せん断実験を行った。実験は、パネル2枚と1枚の場合の他、比較のためにJAS合板2枚の場合についても行い、降伏耐力や最大耐力等を基に、規定された方法により、単位長さ当たりの短期許容せん断耐力を求めた。

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  • A-3
  • 片流れ木造トラス堆肥舎の強風被害
  • 小川秀雄(神奈川大)

 強風により木造屋根構造部分が飛ばされた堆肥舎について、被災時の状況資料、木造トラス骨組みの構造計算を行い、被災した要因と現状の設計方法の対応を検討した。また、壁開放度の高い、同様の特殊屋根形状の堆肥舎の安全度を増すための方策として、屋根や壁部分の構造形式及び仕上げ材の止め方等に関する施工方法について述べている。

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  • A-4
  • 搾乳ロボット利用農場へのアンケート調査
  • 長谷川三喜・市来秀之・本田善文(畜草研)

 搾乳ロボット導入農場の利用実態アンケート調査を行った。30件から回答(回収率44%)があり、平均土地利用面積41.6ha/戸、家族労力2.8人/戸、搾乳牛頭数76.5頭/戸、等の数値を得た。また関東以西においても、乳量・乳質・乳房炎発生などについて、従来から各地域が抱えている問題の範囲内で対応が可能であり、改善点も見られることが回答結果から推測された。

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  • A-5
  • 暑熱が搾乳ロボットの利用率に及ぼす影響
  • 本田善文・長谷川三喜・市来秀之(畜草研)

 千葉県佐原市で稼働している搾乳ロボットについて、搾乳ロボットへの訪問回数、利用効率等を周年調査した結果、①利用効率は夏期の牛舎内温度が28℃程度までの範囲であれば気温の影響を受けない、②利用効率は搾乳頭数に大きく影響される、③ロボットの効率的な運用には入室回数を180回程度に設定することが好ましい、等の知見が得られた。

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  • A-6
  • 寒冷期放牧のための不凍結水槽
  • 佐藤義和(北農研)・手島茂樹・進藤和政(畜草所)

 寒冷地で放牧期間を延長する場合、あるいは周年放牧を行う場合には、飲水の凍結を防止することが不可欠である。電源の確保できない放牧地で、特別なエネルギー源を使用せずに、貯水タンク部分は内部の水を熱源として次回の給水まで、飲水器部分は温水を熱源として用い夕方から翌朝まで、十分な断熱をすることによって簡易に凍結を防止する技術を開発した。

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  • A-7
  • 中国の主要養鶏地域における鶏体からの発生熱量
  • 川西啓文(日本大)・山口智治(筑波大)・馬承偉・李保明(中国農業大)・都甲洙(日本大)

 本研究は中国の養鶏地域における鶏体からの放散熱量を把握するため行った。採卵鶏(1.8kg)の山東、河北、河南、江蘇省における年間平均の顕熱量は7.3W/羽、潜熱量は7.2W/羽であった。ブロイラー鶏(2.5kg)の山東、江蘇省における年間平均の顕熱量は6.5W/羽、潜熱量は6.6W/羽であった。

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  • A-8
  • 中国における大型ウインドウレス鶏舎の環境調節に関する研究-冬季の鶏舎内の空気分布と熱収支-
  • 塔木扎布・趙淑梅(筑波大)・星典宏(近中四農研)・山口智治(筑波大)

 中国北京市、山東省、福建省のウインドウレス鶏舎の冬季における舎内空気分布と熱収支を検討した。3鶏舎とも舎内温度・湿度分布の不均一性が示され、山東鶏舎の換気量不足、福建鶏舎の換気方式の不適切性などが認められた。熱収支解析から、山東鶏舎の断熱性の問題点が指摘された。冬季の換気方式の改善が望まれる。

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  • A-9
  • 家畜ふんを利用した合併浄化槽用シーディング剤の研究
  • 小島陽一郎・松田從三・近江谷和彦(北海道大)

 本研究は、実験室規模の10L汚水処理槽においてシーディング剤の投入の効果を検証した。負荷を6段階、シーディング剤の投入量を0、8、40gの3条件とし実験を行った。排水の透視度やCODは、シーディング剤の投入によって改善がみられ浄化能力は強くなったが、高負荷・連続運転では徐々に効果が低下していく傾向がみられた。発生汚泥量には有意な差は認められなかった。

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  • A-10
  • 太陽光発電を利用した低コスト堆肥化技術
  • 榊原幹男(愛知農試)

 太陽光発電を利用した堆肥化装置を低コストで利用するため昼間8時間通気による堆肥化試験を実施した。牛ふんを材料とし、水分60%・65%・70%水準でそれぞれ24時間連続通気と比較したところ、発酵温度は立ち上がりがやや遅れるもののその後は高く推移し、通気終了後の温度上昇も早かった。水分の減少率は若干低かったものの有機物分解率は差がなかった。これらの結果から太陽光発電と8時間通気の組み合わせは有効であった。

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  • A-11
  • 加温通気による冬期堆肥化促進技術
  • 田中章浩・嶋谷智佳子・薬師堂謙一(九沖農研)

 冬期堆肥化における発酵促進のため、1次発酵1週目槽からの暖まった排気を1~4週目発酵槽入気に再利用する加温通気システムに関して検討を行った。その結果、加温通気によって入気温が高まり通気量を増加させることができた。冬期の有機物分解率は、加温通気システムを用いて夏期通気量で堆肥化を行うことで1.5倍に促進された。加温通気システムと脱臭システムを組み合わせることで、アンモニア揮散量は1次発酵の2%程度となった。

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  • A-12
  • 成分調整成型堆肥の生産システム
  • 薬師堂謙一・田中章浩(九沖農研)

 堆肥の利用拡大のため、耕種農家が化学肥料感覚で使用でき、石灰散布機などの手持ちの機械で散布可能な成分調整成型堆肥の生産システムの開発を行った。牛ふん堆肥の成型処理の適正水分範囲は20~27.5%で含水率の高い方、油かすを混合した場合成型性能が向上する。処理量10t規模(含水率15%換算)の生産システムで加工費は5.2~6.7円/kgと試算された。

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  • A-13
  • 牛ふん堆肥の発酵特性
  • 薬師堂謙一・田中章浩・嶋谷智佳子(九沖農研)

 良質の牛ふん堆肥を生産技術を確立するため、牛ふん堆肥材料の発酵試験を行い発酵特性を明らかにした。供試材料は生乳牛ふん尿と自然流下式のスラリーに、副資材としてオガクズ、モミガラ、古紙、乾燥ふん、戻し堆肥を混合したものを使用し、1.8m3の強制通気式発酵試験装置で4週間にわたり発酵させ、有機物分解特性や適正通気量、かさ密度の変化等を明らかにした。

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  • A-14
  • 発酵乾燥ハウスの北海道内冬季における処理状況
  • 向弘之(北農研)

 北海道道の内冬季における発酵乾燥ハウスの稼働状況を調査した。堆肥化中の材料温度が60℃以上に達し、乾物分解率が26%程度の比較的良好な堆肥化が行われているが、水分蒸発量あたりの乾物分解熱量は1,350kcal/kgであり、処理過程での大きな水分低下は望めない。また処理量も温暖期の1/2~1/4に低下している。この施設の導入にあたっては、処理頭数や前後段の貯留施設等に余裕を持たせる必要があると考えられる。

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  • A-15
  • ダイヤモンド電極を用いた電解酸化法による窒素含有廃水処理の基礎検討
  • 井原一高・梅津一孝(帯畜大)・金村聖志・渡辺恒雄(都立大)

 ダイヤモンド電極を用いて、廃水中に含まれるアンモニア性窒素およびCODの分解に関する検討を行った。ダイヤモンド電極は、Ti/PbO2電極を上回るフタル酸の分解特性を示し、廃水中の有機物分解電極として有望であると考えられた。アンモニア性窒素の低減にも効果を得られたが、同時に硝酸性窒素の蓄積が観察された。

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  • A-16
  • 直接酸化反応によるフェノール分解過程の検討
  • 太田和雄(都立大)・井原一高(帯畜大)・杤久保文嘉・渡辺恒雄(都立大)

 Ti/PbO2電極を用いた直接電解酸化反応によりフェノールの分解を行った。得られた結果より、今回の条件下ではフェノールはまず、カテコール、ベンゾキノン、ヒドロキノンと酸化され、その後、脂肪族カルボン酸へと分解されることが示唆される.またフェノールの初期濃度が高い時は、CODの電流効率は高い値が得られた。

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  • A-17
  • 養豚廃水の活性汚泥処理放流水の電気化学的処理
  • 阿部真・馮伝平・前川孝昭(筑波大)

 茨城県下のIおよびT養豚場の活性汚泥処理水の懸濁粒子、高T-Nといった問題があった。そこで電気化学的処理の一つであるFe溶解を行った。これは凝集作用とフェントン反応による分解反応が期待できるからである。結果は懸濁粒子の沈降性は良好で、大部分のリンも除去された。ただし窒素の除去は不十分であり、上澄水からのNH4+の効率的な除去を今後検討する。

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  • A-18
  • 電気処理と曝気による酪農パーラー排水の浄化処理システムの開発
  • 猫本健司・干場信司・高橋励起(酪農大)・諫早統(中道機械)・松本光司(O&R技研)・五十嵐武士(イガデン)・堀江篤彦(桜川ポンプ製作所)・山中芳郎・戸島俊一(ノーステック財団)・小林智行(小林牧場)・森田茂(酪農大)

 近年、対策が求められる酪農パーラー排水を対象とし、電気的凝集(有機物の回収)と排水の消毒・透明化工程を有する、新しい浄化処理システムを開発し、札幌市近郊の酪農場へ設置、実証展示を行った。

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  • A-19
  • 籾殻とリン酸を利用したアンモニア回収装置の開発
  • 福重直輝・阿部佳之・朴宗洙(畜草研)・伊藤信雄(東北農研)・本田善文(畜草研)

 吸引通気式発酵処理の排気中のNH3は圧送通気式に比べ高濃度となり、新たな脱臭方法を検討する必要がある。籾殻にリン酸を添加した材料を回収資材とし、円形回収槽(直径15cm、充填高さ50cm)で高濃度NH3の脱臭および回収試験を行った。試験後の回収資材はpHからリン酸二水素アンモニウムとリン酸水素二アンモニウムが籾殻に付着したものと考えられる。

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  • A-20
  • 環境負荷を考慮した農産プロセスシステムの評価-発生エントロピーによる実験用冷却システムの評価-
  • 磯部正和・坂口栄一郎・川上昭太郎・穂波信雄(東京農大)

 農産プロセスシステムの一例として実験用冷却システムを用いた。冷蔵室に熱負荷を与えた時のシステム内部と外部の環境負荷をエントロピーにより評価した。熱負荷が増加して冷凍機の性能が低下し、内部の環境負荷が大きくなり発生エントロピーは増加した。熱負荷に関わらず外部環境への流入エントロピーの変化は小さかった。

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  • A-21
  • 有機農産物生産の環境負荷-採卵養鶏-
  • 東城清秀・山口琴子・渡邉兼五(東京農工大)

 比較的小規模の採卵養鶏を取り上げ、有機採卵養鶏に取り組んでいる農家と慣行法の農家とを比較しながら、採卵養鶏のエネルギー消費とマテリアルフローを中心に、採卵養鶏の環境負荷について検討した。この結果、有機養鶏では飼料調達におけるCO2排出量が慣行型に比べて多いものの、製品流通では慣行型より低い値となった。全体としては有機養鶏が慣行型より約25g-CO2/10卵、つまり6.8%程多かった。

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  • A-22
  • 5つの酪農生産システムの評価および比較
  • 加藤博美・干場信司・森田茂(酪農大)

 本研究では、今まで学会にて報告をしてきた5つの生産システムを対象とし、その生産システムの位置づけを整理し、さらに①経済性、②投入化石エネルギー量、③余剰窒素、④家畜の健康状態、⑤人間の満足感の指標を用いた総合的な評価によって、各生産システムの特徴を明らかにするとともに、レーダーチャートによって表現した結果を示す。

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  • A-23
  • 有機性廃棄物の資源利用システムにおけるゼロエミッション化に関する研究-システムダイナミックス解析によるシステムの環境影響評価-
  • 加藤仁(中央農研)・東城清秀・渡辺兼五(東京農工大)

 ゼロエミッション型コンポスト化システムのモデルを作成し、システムダイナミックス解析によって環境負荷物質であるコンポストガス(窒素・二酸化炭素)エミッション量を求めた。その結果、従来のシステムに比べ、ガスエミッションを抑制することができ、また、投入資源量についても削減できることが示された。

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  • B-1
  • 既存統計を用いた食品産業の物質フロー解析-茨城県を事例とした地域診断モデルの開発-
  • 宮竹史仁(宇都宮大)・岡留博司・椎名武夫(食総研)

 官庁等により公開されている既存統計を用いて食品産業の物質フローを推計し、原重量、窒素、炭素を指標とした地域診断モデルを開発した。地域レベルにおける食料資源フローの実態が明らかになった。本手法は比較的簡易に物質フロー・モデルを作成することができるため、地域を一次的に診断するモデルとして有効である。

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  • B-2
  • 調理用トマトの真空乾燥における成分変化
  • 中村俊輝・田川彰男・折笠貴寛・飯本光雄(千葉大)

 本研究では、減圧下において乾燥する真空乾燥を用いて調理用トマトの乾燥を行い成分変化について調査した。またブランチング条件の検討を行った。乾燥課程における成分変化として乾燥前後におけるリコピンおよびβ-カロチンの含有量の測定を行い、乾燥後ではリコピン、β-カロチンともに絶対量は減少していることが確認された。

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  • B-3
  • 青果物の熱風乾燥におけるハードニング防止について
  • 折笠貴寛・田川彰男・中村俊輝・飯本光雄(千葉大)

 試料表面を濡らした状態で調理用トマトおよびキウイフルーツの熱風乾燥を行い、乾燥による試料表面の硬化防止を検討した。その結果、減率乾燥第1段において乾燥速度が上昇する結果が得られ、恒率乾燥の状態に近づけることで乾燥速度の減少を抑制できることが示唆された。

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  • B-4
  • 減圧噴霧乾燥のためのプロバイオティクス食品の物性測定
  • 本多慎平・北村豊・橋本光・佐竹隆顕(筑波大)

 乾燥塔内を減圧して従来よりも低温で噴霧乾燥する減圧噴霧乾燥法(Vacuum Spray Drying、VSD法)を提案し、そのシステム構成や装置仕様あるいは操作条件の策定のために必要とされる供試材料(乳酸菌飲料)の諸物性すなわち微生物活性、固形分濃度、蒸気圧、密度、動粘度、表面張力などを測定した。

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  • B-5
  • 分光画像を用いた多変量解析による温州ミカン腐敗果判定法の開発
  • 中嶌輝子・吉川公規(静岡柑試)

 可視から近赤外領域までの連続した分光画像が得られる装置を用い、温州ミカンの腐敗部の識別を試み、その可能性が示されたため(既報)、多変量解析による腐敗果判定法の開発を試みた。分光画像にPLS回帰分析とSIMCA解析で得られた検量式を組み込み作成したイメージ画像は、どちらの検量式も温州ミカンに生じた水侵状の腐敗部を概ね判別できることが確認できた。

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  • B-6
  • 無機塩類液体培養によるカバノアナタケのアミノ酸の生成特性
  • 院多本華夫・狩野優介・賈俊業・前川孝昭(筑波大)

 無機塩類、炭素源および有機酸からなる培地を使い、カバノアナタケの菌糸液体培養を行い、培地の変質、菌糸生産量、培養液中のアミノ酸生成を調べた。培養液に無機塩類のみではO-phosphoserineおよびL-citrullineのみ検出されたが、有機酸を加えた場合、L-glutamic acidおよびGABAが新たに検出された。

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  • B-7
  • 近赤外分光法による食用担子菌類の培養液中の機能性成分の検討
  • 賈俊業・院多本華夫・前川孝昭(筑波大)

 近赤外分光法(NIR法)による食用担子菌類の菌株の判別及び培養液中にある生理活性成分の迅速な判定法を試みた。得られたスペクトルデータをクラスター分析手法により成分組成の測定の可能性を検討した。

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  • B-8
  • 固食の安全と品質保証システムのSQFの可能性
  • 守田和夫・坂本文男・田中史彦(鹿児島大)

 生産者段階での食の安全と品質保証システムを構築するため、SQF(Safe Quality Food)プログラム開発に着手している。SQFは国際認証基準であると同時に、地域に適合したプログラムの開発が可能であり、特に生産者段階での安全と品質管理プログラムの開発のための調査、分析にSQFは極めて有効である。

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  • B-9
  • 木酢液の有効利用に関する基礎的研究
  • 齊藤浩一・飯本光雄・田川彰男(千葉大)

 ナシの剪定枝より木酢液を採取し、主要含有成分および植物活性効果について調査した。木酢液には環境汚染物質が含まれていたが、一般に使用するように、例えば500倍に希釈して用いる場合は問題がないと思われる。また、木酢液を散布した試験区のホウレンソウは対照区のホウレンソウに比べ展開本葉数が有意に大となった。これは木酢液の主成分である酢酸によるものと推察する。

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  • B-10
  • エダマメ精選別技術の開発
  • 片平光彦(秋田農試)・嶋田浩(秋田県立大短大)

 開発した方法は、一台のCCDカメラでエダマメ莢の全面(360°)を認識させる多面認識技術を用いて、傷部の抽出を行うものである。エダマメ莢は、連絡するベルトコンベアの段差で落下させ、落下部に120°の角度で連結した合わせ鏡、姿勢安定板、照明を配置した画像取得部によって、全周囲画像を取得する。エダマメ莢の傷認識を比較した結果、選別精度は78.6%であった。

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  • B-11
  • ニューラルネットワークを用いた匂いセンサーによる食品香料の識別
  • 林秀杰(筑波大)・阪田治(食総研)・黒澤茂(産総研)・橋本光・北村豊・佐竹隆顕(筑波大)

 セルロース膜を被覆した水晶振動子式匂いセンサーを用い、測定時間の短縮を目的とした窒素ガスフロー法により食品香料の吸着実験を行った。センサー出力値のニューラルネットワーク処理によるパターン認識を行う一方、主成分分析を行い13種類の食品香料の識別を試みた。

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  • B-12
  • 焙煎ゴマ油の加工貯蔵に伴う品質および極微弱発光の変化
  • 蘒原昌司(食総研)・兀下伸二・関圭吾(かどや製油)・齋藤高弘・志賀徹(宇都宮大)・大谷敏郎(食総研)

 本研究は、極微弱発光計測を用いた焙煎ゴマ油の品質評価法開発を目的とする。製造時の焙煎工程により品質が向上し発光量も増加すること、長期間貯蔵時中は発光量が減少すること等が明らかになり、極微弱発光計測が初期劣化時の品質評価に適していることが示された。

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  • B-13
  • SAによる施設内機械装置の最適配置設計-施設の天井形状を考慮した設計-
  • 阪田治(食総研)・北村豊・佐竹隆顕(筑波大)

 生物生産施設について、個々の施設特有の条件を満たす施設配置設計を、計算機シミュレーションにより実現する方法を論じる。例としてライスセンター内の大型機械配置設計をとりあげ、シミュレーテッド・アニーリング(SA)を援用し、建物の高さと機械の高さの関係を考慮した設計を行った。

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  • B-14
  • 大型境界層風洞における気流作成法に関する検討
  • 石井雅久・佐瀬勘紀・池口厚男・森山英樹・奥島里美(農工研)・小綿寿志(農研機構本部)・Murat Kacira(農工研)

 スパイヤとラフネスブロックを用いて、風洞内の気流(縮尺:1/20)を作成した。風速の垂直分布と粗度長は目標値と一致したが、乱れの強さは小さかった。したがって、運動学的相似条件を満たすためには、ラフネスブロックの検討に加え、乱流格子や人工芝などで一様乱流を作成し、気流の乱れを大きくする必要がある。

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  • B-15
  • ニューラルネットワークとRosenbrock法による‘土佐文旦’の最適栽培条件探索に関する研究
  • 河野俊夫(高知大)・北島宣(京都大)・山崎安津・田中悠起・大畑宏史・長谷川耕二郎(高知大)

 種子数の少ない‘土佐文旦’を生産することを目的とし、種子形成抑制効果のあるストレプトマイシンを利用して種々の条件下で栽培を行い、栽培条件と果実の特性との関係を数量的に結びつける手法の利用によって最適栽培条件探索について検討した。

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  • B-16
  • 台風0314号による沖縄県宮古島の園芸施設被害について
  • 玉城麿(沖縄農試)

 台風0314号は、沖縄県宮古島を24時間暴風域に入れ、大規模な災害を引き起こした。被災状況を調査した結果、多くの被災施設でコンクリート基礎の破壊や転倒、柱脚の折れ、資材接合部の破損が確認できた。その内、ネット式鋼管施設は妻面より長手方向約6.0mの範囲内で大きな被害が生じたが、6.0m以上では、支柱の傾斜(20°以上)以外に目立った被害が無く、作業機で引き上げることで、利用可能な状態に修復できた。

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  • B-17
  • 数値計算による連棟ハウスの温風送風式融雪システムの能力算定と屋外実験との比較
  • 古野伸典(山形村山支庁)・佐瀬勘紀・石井雅久(農工研)

 温風送風式の融雪システムについて、強制対流領域と自然対流領域に分割して融雪能力を算定し、実測値と比較した。強制対流領域の融雪量が全体に占める割合は82%と高かった。実測値の最大値は約1.5(kg/m2)/hとなり、算定値よりやや少なかった。今後、ダクトの設置位置、吹き出し風速・温度等の最適化が必要である。

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  • B-18
  • コマツナの室内栽培における太陽光集光装置の利用
  • 福原洋介・飯本光雄・田川彰男(千葉大)

 人工光源と太陽光集光装置を併用した併用区および人工光源のみの単独光源区においてコマツナ栽培を行い、生育および消費電力量を比較した。併用区のコマツナの草丈は単独光源区のそれより有意に小となった。これは併用区の昼夜の温度差が単独光源区よりも小さかったためだと推察された。また、併用区の人工光源の消費電力量は単独光源区の78%であった。

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  • B-19
  • 磁気処理水が植物の生長に及ぼす影響および水耕栽培における磁気処理水利用の検討
  • 安良岡正裕・飯本光雄・田川彰男(千葉大)

 水耕栽培において養液を磁気処理し、磁気処理水がコマツナおよび藻の繁殖に及ぼす影響を調べ、水耕栽培における磁気処理水利用の可能性を検討した。その結果、磁気処理水はコマツナの生長に影響を及ぼさなかったものの、磁気処理水による循環ポンプ内部の藻の繁殖抑制効果が認められた。

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  • B-20
  • 日光温室の熱環境形成機構に関する研究-遼瀋Ⅱ型大型温室における熱環境特性について-
  • 文哲民・山口智治(筑波大)・畔柳武司(近中四農研)・趙淑梅(筑波大)・王鉄良・佟国紅・白义奎(瀋陽農大)

 第3世代大型日光温室(遼瀋Ⅱ型)において、無栽培・無暖房状態での基本的熱環境計測を6か月間実施した。夜間の室温維持は、小型温室と同様に土壌と北壁の日中蓄熱の室内側への還流によるものであった。室内気温が5℃以下になる場合があり、改善策が必要とされた。

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  • B-21
  • 日光温室の熱環境形成機構に関する研究-数値モデルによる温室構造が室内気温に及ぼす影響の検討-
  • 畔柳武司(近中四農研)・山口智治(筑波大)

 開発した熱環境予測数値モデルによって、保温カーテンや北側固体壁など日光温室の構造が室内気温に及ぼす影響を検討した。室内気温は、保温カーテンを厚くすることにより熱貫流抵抗を後屋根と同程度まで高めると、約6℃上昇する余地のあることが示された。また北壁の構造は12cm厚の煉瓦壁と室外側の10㎝厚の断熱材で十分な蓄・断熱効果が得られることが示された。

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  • B-22
  • 小規模根域冷却育苗技術の開発-セルトレイ表面被覆処理の効果-
  • 長﨑裕司・玉城勝彦・金井源太(中央農研)

 高温期のレタスセル成型苗育苗において、根域冷却を狙った低温水底面給水に加え、培地の昇温抑制を図るため発泡樹脂ペレットによる表面被覆処理を検討した。培地温の抑制効果は明らかにできなかったものの、苗地上部のコンパクト化が図れた。今後は発泡樹脂ペレットに代わる表面被覆資材について検討し、低温水処理と組み合わせた高温期の高品質苗生産技術に発展させる。

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  • B-23
  • 片屋根型プラスチックハウスの温熱環境特性-換気性向上に有効な補助開放方法-
  • 長﨑裕司・玉城勝彦・金井源太(中央農研)

 側面の開放面積が大きくとれる片屋根型ハウスの風通しの良さを1/2模型で確認し、実大ハウスにおいて妻面開放による換気促進効果を確認した。その結果、片屋根型は風の取り込みがアーチ型に比べて優れており、妻面も含めた開放により、暖気が滞留する箇所を小さくできた。防虫網を組み込んだ状態での換気性等の維持を図る技術の検討が今後の課題である。

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  • C-1
  • 回転ドラム型発酵システム(RDFS)による食品副産物のドライメタン発酵
  • 椎名威仁(ミヤマ)・北村豊・佐竹隆顕(筑波大)

 RDFSを用いて豆腐おからを無希釈でメタン発酵するにあたり、遊離アンモニアによるメタン発酵阻害を抑制するために、原料のC/N比を調整した。その結果、投入した炭素分がプロピオン酸に変換し、システム内に蓄積した。このためNH4+生成の大きな抑制は得られなかったが、pH低下により遊離アンモニア生成は抑制され、518L/kg-VS·dのガス収率が得られた。

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  • C-2
  • バイオガスプラントの遠隔管理
  • 横山慎司(アグリウエザー)・干場信司(酪農大)・石川志保(北王コンサルタント)・大友詔雄(北海道自然エネルギー研究センタ)

 酪農学園大学では、バイオガスプラント内の各所に設置されたセンサーの値をインターネットを介してモニタリングするシステムを昨年から試験運用している。その遠隔管理に向けたシステムの概要を紹介するとともに、その運用に当たっての課題等を整理した。

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  • C-3
  • 生ゴミ用固液分離機の改良と粉砕スラリーのメタン発酵
  • 島田敏(筑波大)・馮伝平(茨城県科学技術振興財団)・前川孝昭(筑波大)

 昨年試作し、報告した生ゴミ用固液分離機を改良した。粉砕速度は、23~40kg/hに向上した。生ゴミ粉砕スラリーは、2相式プラグフロー型発酵槽での豚糞尿混合メタン発酵において、VS負荷4.2kg·HRT9日の条件で、メタン発酵槽液容積比最大3.5倍のバイオガスを発生し、COD除去率は73%を達成した。

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  • C-4
  • 共同利用型および個別型バイオガスプラントのエネルギー的・経済的比較
  • 石川志保・干場信司(酪農大)・日向貴久(根釧農試)・石田哲也(開土研)・羽川富夫(大成建設)・館山留男(ドーコン)・菱沼竜男(高根沢町)・竹内良曜(北王コンサルタント)・森田茂(酪農大)

 実用規模の共同利用型バイオガスプラントを想定し、エネルギーと経済性の面から評価を行った。さらに、個別型バイオガスプラントとの比較も試みた。

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  • C-5
  • 水素醗酵液を原料としたメタン醗酵における担体の効果
  • 新屋文隆(西原環境テクノロジー)・大下信子・竹本裕・品田司(西原環境テクノロジー)

 水素醗酵後の醗酵液を原料としたメタン醗酵実験において、担体を充填することでメタン生成に関与する微生物が効率よく付着していたことが考えられた。このことから、担体はメタン醗酵に有効であることが確認でき、HRT15日、有機物負荷3.0[kg-CODCr/m3·d]でも運転可能であることが分かった。

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  • C-6
  • バイオディーゼル油を補助燃料とするバイオガス用コージェネレーションシステムの性能特性
  • 朴宗洙・阿部佳之・福重直輝・本田善文(畜草研)・野口伸(北海道大)

 バイオディーゼルとバイオガスで運転できるコージェネレーションシステムを開発し、運転特性を検討した結果、低負荷運転ではバイオガスの供給割合が高くなることによって燃料消費率は増加するが、NOx排出濃度は減少すること等が確認された。

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  • C-7
  • メタン発酵処理がバーチシリウム菌とフザリウム菌の生存率に及ぼす影響
  • 瀧本淳徳・梅津一孝(帯畜大)

 本研究は作物病原菌であるバーチシリウム菌とフザリウム菌のメタン発酵の死滅効果について35℃と55℃で回分試験を行った。その結果、微生物を90%死滅させるのに必要な時間T90は、バーチシリウム菌は35℃で7.7日、55℃で0.6日となり、フザリウム菌は35℃で0.5日、55℃では15分ですべて死滅し、共に55℃での死滅効果が高い事が明らかとなった。

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  • C-8
  • メタン発酵槽の電位制御
  • 梅津一孝(帯畜大)・濱本修(三井造船)

 PAN系炭素質カ-ボンフェルトを作用極とし、乳牛糞尿嫌気発酵消化液と生ゴミペ-ストの混合スラリ-を35℃と55℃で嫌気発酵させ、一定電位を印加して、発生するバイオガス量とそのメタン濃度を測定した。電位を低く制御することによりバイオガス生成量は増加し、さらに、バイオガス中のメタン濃度も上昇した。

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  • C-9
  • エネルギー回収型資源循環有機系廃棄物処理のシステム開発-豚尿の二相式メタン発酵処理とバイオガス回収-
  • 林恒生・木村英次・黒岩共弘(豊国工業)・守田和夫(鹿児島大)

 本研究は、養豚経営における低コスト型の処理システムの開発を目的とし、豚尿汚水中の夾雑物のみを除去した高SS濃度汚水の湿式二相式メタン発酵処理を行った。その結果、アンモニアによる発酵阻害も特になく比較的高効率なガス化率及びVS分解率が得られ、豚糞尿を固液分離した液系の処理に本方式が適している事が示された。

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  • C-10
  • エネルギー回収型資源循環有機系廃棄物処理システム技術開発-豚糞の乾式メタン発酵処理とバイオガス回収-
  • 三崎岳郎・劉宝鋼・石橋保(栗田工業)・守田和夫(鹿児島大)

 豚糞のNH3濃度から単独での高温メタン発酵が困難と判断でき、可燃ゴミとの重量混合比8:1で高温乾式メタン発酵を行った。豚糞のNH3濃度が3100mg/kg以下、VS負荷11.4kg/m3·日のとき、乾物分解率は約40%であった。1kgVS分解で0.4Nm3のメタンガスを得た。

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  • C-11
  • エネルギー回収型資源循環有機系廃棄物処理のシステム技術開発-湿式メタン発酵処理脱離液の電極電気分解処理-
  • 宮園宏禎・奥村隆則・村上孝信(シンコー)・守田和夫(鹿児島大)

 本研究開発では、電極電気分解処理による高濃度有機系廃水、特に湿式メタン発酵処理脱離液処理を対象とする技術開発を行うことを目的として実験を行った。その結果、電極電気分解処理は高濃度有機系廃水の湿式メタン発酵処理脱離液に対して有効な処理であることを明らかにできた。

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  • C-12
  • エネルギー回収型資源循環有機系廃棄物処理のシステム技術開発-発生バイオガスのコージェネ化システム構築-
  • 梅津太一朗・竹吉雄一・原田達朗・西山和利(西日本環境エネルギー)・守田和夫(鹿児島大)

 本研究は、エネルギー回収型有機系廃棄物処理システムの開発を行うものであり、このうち発生バイオガスのコージェネ化システムを構築することを目的とするものである。畜ふんのメタン発酵によって得られたバイオガス燃料を利用し、小型のガスエンジンを使用した装置の設計、試作および性能評価を行った。

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  • C-13
  • エネルギー回収型資源循環有機系廃棄物処理のシステム開発-乾式メタン発酵残さ等の炭化と屋上緑化資材の可能性-
  • 守田和夫・藤田晋輔(鹿児島大)・二俣学・前村記代(協同組合ケトラファイブ)

 本研究開発では、豚糞を使った乾式メタン発酵残渣の資源化の一方途として炭化処理を行い、炭化物成型ボードを試作し、屋上緑化資材としての有価物化の可能性について検討した。基礎研究としてスギ炭、竹炭、生ゴミ炭を試作し、炭化製品の屋上緑化資材としての成分分析、物性などを調べ、その適応性について検討した。

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  • C-14
  • 赤外線照射による柑橘表面殺菌の可能性
  • 内野敏剛・井上歩美・川崎浩平(九州大)・濱中大介(近畿大)

 貯蔵中の腐敗防止による高品質長期貯蔵を目的とし、赤外線を用いた柑橘類殺菌の可能性を検討した。予備試験の結果、果実表面に変色がみられるものの、赤外線照射により腐敗果の発生を遅らせることができた。また、Penicillium italicumPenicillium digitatumを供試して赤外線を照射し、1.0kWでは、最短15s程度で生存比を0.1以下とする結果を得た。

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  • C-15
  • 酸性電解水の作物病害防除への応用と効果
  • 阿知波信夫・吉田恭一郎(ホシザキ電機)・草刈眞一(大阪府立食みどりセ)・阿部一博(大阪府大)

 KCl電解の強酸性電解水で各種植物病原菌を処理した。分生子等の懸濁液と強酸性電解水を混合した所、いずれの病原菌も検出されなかった。続いて圃場でキュウリウドンコ病、イチゴ灰色カビ病等への試験を行なった所、病害発生前から予防的に利用することで高い防除効果が認められた。

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  • C-16
  • 電解を利用した水処理方法とその殺菌効
  • 紙谷喜則(ホシザキ電機)・中川祥平・島木貴之・進藤昌子・守田和夫(鹿児島大)

 本研究では、水の電気分解処理システムの開発を行うことを目的として、電解還元水(アルカリイオン水)と比較することで、基礎実験を行った。循環電解処理法は、新しい生体利用水として殺菌効果を有し、且つ電解還元水と同等な酸化還元電位を得ることを明らかにした。

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  • C-17
  • 通電加熱による液体食品の殺菌(第1報)-通電加熱による牛乳の殺菌-
  • 孫慧先・伊藤和彦(北海道大)

 牛乳を通電加熱法および外部加熱法を用いて殺菌を行った。一般生菌および耐熱性乳酸菌を対象に菌数の減少を検討した結果、同一温度条件下において通電加熱法は外部加熱法よりも大きな殺菌効果を持つことが明らかになった。通電加熱において、周波数を高めると殺菌効果が向上した。両加熱方法による牛乳のホエータンパク質の熱変性程度に差は認められなかった。

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  • C-18
  • 泡を利用した乳頭ディッピング作業
  • 長谷川三喜・本田善文・市来秀之(畜草研)

 泡を用いることにより、粘度の低いディップ剤でも乳頭の保護皮膜形成が良好で、少ない資材量で制菌効果を持続的に得られるとの仮説を立て、泡ディップ用具を試作して確認試験を実施した。泡ディップ式は、ディップ剤消費量がスプレー式の2/3に減少し作業者から最も遠い右後乳頭のディッピング1時間後の一般生細菌数において、スプレー方式との間で有意な差異が見られた。

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  • C-19
  • 水管理によるトマト苗の長期保存に関する研究
  • 宮本眞吾・世良田和寛・内ヶ崎万蔵(日本大)

 養液管理だけによるトマト苗の長期保持に関する実験を行った。温度26度、湿度70%のバイオトロンの中で6週間程は大きさを維持できた。しかしながら、植物自体の生長は進行しており、葉の段数は実験区と対照区の間にほとんど差がなかった。長期にわたり光量が不足していることから、実験区、対照区ともに葉色が悪くなり、同じような状態となった。今後は苗の品質等を考慮していく必要がある。

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  • C-20
  • 電解水の葉面散布による野菜の生長促進効果
  • 吉田恭一郎・齊藤洋介・阿知波信夫・片寄政彦(ホシザキ電機)

 栽培中の葉ネギとニラにKCL電解の強酸性電解水及び強アルカリ性電解水を交互に週1回散布することにより、新鮮重と茎径(ニラは葉幅)が無散布や水道水散布と比較して増加した。成分については、遊離アミノ酸が増加した。電解水散布による葉面変色等の散布障害は発生しなかった。

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  • C-21
  • 画像解析による穀物調製特性の計測
  • 後藤清和・大島隆久(岐阜大)

 穀粒のサイズに関する研究は、従来、目視やふるいなどの装置が用いてられてきた。これらの方法では、分布を考慮した検討ができなかった。画像解析によりその点を解決することとしたが、レンズの収差等の影響で理想的な画像を得ることができない。そこで、本研究では、画面上に生ずるひずみを位置別に測定し、修正係数を求めてより正確な値を得ることとした。

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  • C-23
  • 空調方式の違いが一坪型冷蔵庫の予冷性能に及ぼす影響-壁面冷却法式冷蔵庫と強制通風方式冷蔵庫の比較-
  • Poritosh ROY(食総研)・岩城邦明(氷蔵システム)・宮竹史仁(宇都宮大)・中村宣貴・岡留博司・椎名武夫(食総研)

 プラスチックコンテナ詰め(約25kg)したバレイショを庫内に満杯詰め(入庫量1.5t)した際のコンテナ中心部の中心品温は、いずれの方式においても設定温度より高かった。無次元温度が0.5に達するまでの時間の空調方式の違いによる大小関係は、積載位置で異なった。

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  • C-24
  • 生鮮食品用結束テープの簡易切断技術の開発
  • 片平光彦(秋田農試)・佐々木和則(前・秋田農試)・森川吉二郎・田村保男・加賀屋博行(秋田農試)

 開発した結束テープは、市販結束テープの幅方向の中央部、長手方向と平行する位置に約10mm間隔でスリットを連続的に形成したもので、市販の結束テープと同等の強度を有し、長ネギ等の結束に用いた場合、テープの切断が容易で切断時間も短縮できる。

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  • P-1
  • 乳牛ふん尿とてん菜と混合メタン発酵
  • 山崎世理・梅津一孝(帯畜大)

 てん菜の葉茎部、根部、全体を10%、20%、30%の割合で乳牛ふん尿と混合し、てん菜のバイオガス化の可能性を検討した。葉茎部の添加による混合メタン発酵の最適混合割合は20%~30%、根部の添加は、10%~20%の間に投入限界があった。てん菜全体の添加による混合メタン発酵の最適混合割合は20%~30%であった。

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  • P-2
  • エネルギー回収型資源循環有機系廃棄物処理のシステム技術開発-発生バイオガスの小型ディーゼルエンジンへの利用-
  • 岩崎浩一・守田和夫・基山竜広・折口悦久(鹿児島大)・梅津太一郎(西日本環境エネルギー)

 有機系廃液分解浄化処理に伴い発生するバイオガスの小型ディーゼルエンジンへの利用について検討した。その結果、メタンガスと二酸化炭素の混合ガスにより、軽油燃料を最大で84%程度代替することができた。

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  • P-3
  • 大気放射冷却利用冷房システムのエネルギー効率
  • 小綿寿志(農研機構本部)・佐瀬勘紀・石井雅久・森山英樹・Murat Kacira(農工研)

 大気放射冷却を利用した水蓄熱式冷房システムの連続運転を行い、エネルギーの授受を解析した。大気放射冷却量の見かけの回収率は1.53~1.86、冷熱集熱成績係数は2.04~2.11であったが、冷蔵庫の冷房を含めたシステム全体の成績係数は1を下回り、ポンプの消費電力を低減する対策が必要と考えられた。集熱した冷熱エネルギーの見かけの有効利用率は0.70~0.95であった。

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  • P-4
  • 近赤外分光法利用による水質分析に関する基礎研究
  • 守田和夫・田中史彦(鹿児島大)

 本研究は、家畜糞尿処理施設、食品工場の排水処理施設での簡易連続水質モニタリングシステムの開発を目的に、近赤外分光法の適用の可能性について検討したものである。すなわち、デンプン系の有機物のモデルとして濃度の異なるショ糖の水溶液を調整し、近赤外分光法利用によるショ糖のCOD濃度を短時間に正確に測定・予測を行った。この方式により連続モニタリングを可能にするシステムの構築可能性が見出せた。

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  • P-5
  • 電解水による切花の鮮度保持効果
  • 守田和夫(鹿児島大)・紙谷喜則(ホシザキ電機)・進藤昌子(前川製作所)・Yen Con Hung(ジョージア大)・田中史彦・島木貴之(鹿児島大)

 本研究では、強力な殺菌力(酸性電解水)、界面活性効果(アルカリ性電解水)を持つ電解水を従来の鮮度保持剤の代替品として、切花に応用することが可能であるかを、①界面活性効果、②殺菌力、③pH調整、の項目に従って検証し、電解水の性質が切花の鮮度保持に及ぼす影響について基礎実験を行った。

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  • P-6
  • カンキツ周年マルチ点滴灌水同時施肥法の新たな灌水管理法の開発(予報)
  • 星典宏・森永邦久・草塲新之助・島崎昌彦(近中四農研)

 周年マルチ点滴灌水同時施肥法により糖度の増加、減酸が得られているが、園地内、あるいは灌水ブッロク内で品質の偏差が認められた。園地全体の判断から一括灌水を行う現行のマルドリの栽培管理から、樹体の水分ストレスを基に適量の灌水を行う、汎用性のある新たな灌水方法の構築を行う。

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  • P-7
  • CFDによる生物生産施設内空気分布の解析-パッドアンドファン冷房大型温室における温度分布解析-
  • 趙淑梅(筑波大)・星典宏(近中四農研)・山口智治(筑波大)・李保明(中国農大)

 CFD数値解析方法を援用して、パッドアンドファン冷房大型温室の温熱環境に対してシミュレーションを行った。室内遮光カーテンが展張され、かつ無栽培条件と想定した現在解析段階の解析結果では、温室内の温度及び気流分布性が表現されている。今後、実際の温室状況に基づき更に解析条件を検討して解析を行う予定である。

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  • P-8
  • 片屋根型プラスチックハウスの現状と快適化を中心とした改善方向
  • 長﨑裕司・玉城勝彦・金井源太(中央農研)

 開発した片屋根型ハウスは、比較的構造が強く軒高を2~3m確保できるため、四方を開放することで換気性が良い特長がある。さらに、遮光処理を適切に加えることで作業負担軽減が図れる。広い作業空間を活用した、高設・循環型養液栽培技術を導入することで、快適で環境保全型の野菜生産技術を確立することを目指す。

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  • P-9
  • 音響反射を利用する温室内温度プロファイルの計測
  • 工藤功介・水谷孝一(筑波大)・奥島里美・佐瀬勘紀(農工研)

 音響反射を利用した長区間超音波温度計により、温度プロファイルを計測した。従来では1対のスピーカ及びマイクロフォンあたり1個の平均温度しか測定できないが、平板を4枚設置することにより、伝搬経路を2本に増加させ2個の平均温度を計測している。空調可能な室内の温度プロファイルを計測し、熱電対による計測温度と比較を行った結果、双方とも良い一致を示した。

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  • P-10
  • 大型音響波プローブと複数の風向・風速計による測定結果の比較
  • 水谷孝一・柏崎賢一・糸賀一也(筑波大)・若槻尚斗(秋田県立大)

 200m2の正方形領域において直交する2本の音響波プローブを微気象センサとして用い気温、風速・風向の空間平均値を計測した。同時に測定基線上に設置した5個の温度計-風向風速計と比較した結果、空間的に風向風速にばらつきがある場合には後者の測定機材では十分な領域代表性を持った測定ができていないことが分かった。

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  • P-11
  • 温室内のトマト畝間における垂直温度分布の音響的モニタリング
  • 二又陸・工藤功介・水谷孝一(筑波大)・奥島里美(農工研)

 非接触の温度センサである音響波プローブを4本用いて温室内のトマト畝間における高さの異なる4段の気温を計測し垂直温度分布の時間経過をモニタリングした。レスポンスが速く、暖房用温水パイプの輻射熱や日射の影響を受けることなく正確な温度分布の非接触計測が可能であることがわかった。

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  • P-12
  • 音響波プローブによる微気象測定における誤差解析
  • 糸賀一也・工藤功介・水谷孝一(筑波大)・若槻尚斗(秋田県立大)

 大型園芸施設には2次元の気温・風速ベクトル分布が生じており、従来の計算方法ではなんらかの測定誤差を生じることが予想される。本稿では音波の水平伝搬シミュレーションを行い、伝搬経路・伝搬時間・気温と風速成分の経路平均値の計算値と実際の値を比較することにより、原理的な測定誤差を解析した。その結果、音響波プローブは、効果的に微気象を測定できることが分かった。

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  • P-13
  • 気柱振動プローブを用いる土質評価の可能性の検討
  • 岡村智弘・金子昌弘・水谷孝一(筑波大)

 本研究では、気柱振動管の自由開封端近傍に音響インピーダンスが不連続な面が存在すると、固有振動数に変化をもたらす性質を利用して、構造が簡単で高感度な遅延線発振と気柱振動を組み合わせるセンサプローブを用いた非接触の土質評価の可能性について検討した。今回は、土を模した発泡スチロールの球径の発振周波数依存性について検討した。

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  • P-14
  • トマト栽培パイプハウスにおける自然換気型細霧冷房の環境特性と生育・収量
  • 古野伸典(山形村山支庁)・中西政則(山形園試)

 トマト栽培をしているパイプハウスにおける、自然換気型細霧冷房の効果を検討した。水道圧程度の水圧で噴霧する方式では、植物体温がやや低下したものの、ハウス内気温の冷却効果は小さかった。高圧(3MPa)で噴霧する方式では、十分な冷却効果が得られ、噴霧周期は、ハウス内気温と湿球温度の関係から30秒噴霧120秒休止が適すると考えられる。

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  • P-15
  • 計算機トモグラフィ法を用いる小空間における風向・風速分布の可視化
  • 蜂須賀豊・二又陸・水谷孝一(筑波大)・石井雅久(農工研)

 作物の最適栽培には、温度、風向・風速、湿度等の微気象情報の取得が重要視されており、測定対象空間全体を非接触かつ実時間で把握することのできる音響波による測定は有用である。本研究では、従来実施してきたマトリクス法では得られなかった高い分解能を得るために計算機トモグラフィ(CT)法を用いて再構成を行う。

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  • P-16
  • 近赤外分光法によるじゃがいもの炭水化物含量の非破壊測定
  • 陳介余(秋田県立大)・繆冶煉(三重大)・張函・松永隆司(秋田県立大)

 じゃがいもの炭水化物含量の非破壊測定への近赤外分光法の利用を試みた。汎用タイプの近赤外装置と光ファイバーを利用して、インタラクタンス方式でじゃがいものノイズ少ない近赤外スペクトルを測定できた。そのスペクトルから、じゃがいもの炭水化物含量を予測した結果、相関関係は0.93、SEPは0.98%となり、高い予測精度を得た。

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  • P-17
  • 予測微生物学的手法による微生物挙動のダイナミック予測モデルの開発
  • 田中史彦・守田和夫(鹿児島大)

 フードチェーンにおける微生物挙動を予測し、安全評価を行うためのシステム開発を行った。本研究では、熱・物質移動モデルと予測微生物学的モデルを組み合わせることによって動的環境下における微生物挙動を予測した。ニューラルネットワークによる殺菌時間予測の迅速化や時間的・空間的菌密度分布の発生についても検討し、食の安全を科学的に支えるための技術開発を行った。

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  • P-18
  • 活性酸素消去発光(XYZ系微弱発光)における評価手法の検討 
  • 齋藤高弘(宇都宮大)・蘒原昌司・大谷敏郎(食総研)・志賀徹(宇都宮大)

 本研究は、活性酸素消去発光での試薬濃度と発光曲線の関係、有害性のある溶媒濃度について検討した。その結果、XとZ成分は最大発光量を、Y成分は200秒の積算値を指標とでき、短時間・多検体の計測に道が開かれた。溶媒であるアセトアルデヒド濃度は、3%まで低減が可能であった。

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  • P-19
  • 低コスト堆肥化施設の開発(3)-ガルウィング型堆肥舎の処理量,他-
  • 向弘之(北農研)

 ガルウィング型堆肥舎で、切返しにホイルローダを利用して寒冷期の堆肥化を行った。トラクタ装着型切返機の利用に比べ処理量が倍増し、乳牛40頭分に達したが、作業時に施設周囲が汚れ易い問題もあった。20℃以上の内外気温差が得られ、材料の最高温度も60℃を超えた。搬入・搬出材料の重量比は2.4:1.0となった。またレキ汁・結露水の回収量は530L/日であった。

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  • P-20
  • 畜産糞尿メタン発酵から排出される消化液の電解酸化処理
  • 井原一高・梅津一孝(帯畜大)・後閑ゆず・金村聖志・渡辺恒雄(都立大)

 畜産糞尿メタン発酵から排出される消化液に対し、DSAを陽極とする電解酸化処理を行った。消化液に含まれる懸濁成分をフィルタで固液分離し希釈したサンプルを電解したところ、アンモニア性窒素およびCODの低減効果が得られた。電解によって生成する次亜塩素酸が酸化剤として働き、塩化物イオン濃度が反応効率に大きな影響を与えることを示した。

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  • P-21
  • 濾材の組合せによる酪農雑廃水の簡易な懸濁物質低減手法の検討
  • 森岡理紀・加藤邦彦・金澤健二・細川弘史・向弘之・長田隆(北農研)

 パーラー排水など酪農系雑廃水の懸濁物低減処理を目的として、おがくずと籾殻を混合した濾材の使用を検討した。混合濾材中のおがくず比率が高まると、効果も向上する一方で閉塞が発生したが、混合比率の調整で等量のおがくずでも濾過性能の維持が可能であった。また層厚調整により処理水質の制御が容易であった。

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  • P-22
  • 一般堆肥化施設のエネルギー的評価
  • 松本光司(O&R技研)・猫本健司(酪農大)・小林敏道(コバ建築事務所)・干場信司・森田茂(酪農大)

 糞尿処理施設の建設にかかる投入エネルギー量の算定やその手法の提案を行った。調査対象は北海道の堆肥舎と貯留槽とし、糞尿は重量分離比用いて頭数をそれぞれに按分して算定した。堆肥舎と貯留槽の両者の構築に要した1頭あたりの投入エネルギー量は差はないことがわかった。

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  • P-23
  • 高水分小麦の粒径選別を利用した水分選別乾燥技術
  • 金井源太・玉城勝彦・長﨑裕司(中央農研)・佐竹隆顕(筑波大)

 収穫直後の粒径選別による水分選別技術について検討を行った。目幅3.0mm、3.2mm、3.4mmの篩にて選別試験を行い、常に篩上が篩下より水分が高く、3.0mmでは最大約6%、3.2mmでは最大約5%、3.4mmでは最大約8%の水分差を得た。3.2mm篩では水分35-40%程度の時期に篩上下がほぼ同量となり、以降は篩下が多い傾向を示した。灰分及び蛋白質含量は篩上が若干高い傾向を示した。

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