発表要旨(2003年度大会)

  • A-1
  • 大豆の厚層乾燥特性
  • 丸岡裕和・三輪精博・後藤清和(岐阜大)・水野英則(サタケ)

 近年、多様化している乾燥方法の中で、ラック式乾燥装置は個別処理に適し、高付価値農産物の乾燥に有効である。この装置の問題点として厚層乾燥方式であるため大きな乾燥むらが発生する可能性がある。特に大豆では、乾燥中に粒の形状や寸法が変化し、送風路となる空隙の形状、寸法、割合に変化が生じる。本研究では、最適乾燥条件についてシミュレーションにより検討した。

ページトップへ

  • A-2
  • 籾の厚層乾燥特性
  • 楊志偉・後藤清和・三輪精博(岐阜大)・水野英則(サタケ)

 ラック式乾燥施設で籾を乾燥する場合、厚層乾燥となるため、大きな乾燥むらが生じる。そこで、初期の水分分布状態を設定し、種々の乾燥条件で処理した場合の水分分布を含む乾燥過程をシミュレーションにより考察する。従来のシミュレーションでは乾燥過程中の水分分布を検討できないが、今回は特に水分むらの発生状況を求めて、適切な運転計画を決定するための考察を行う。

ページトップへ

  • A-3
  • 米の調製条件と水浸亀裂の関係について
  • Ly Hoang Tung・三輪精博・後藤清和(岐阜大)

 日本において、精米技術はほぼ確立されているが、時折、白米に水浸亀裂が多発するという問題が起こる。水浸亀裂は、炊飯時の澱粉溶出、飯の外観、食感など食味評価が低くなり、商品価値が低下するため、経済的損失を伴う。この原因として、不適切な乾燥条件や調整条件等が考えられる。本研究では水浸亀裂と吸収特性の関係を求めるとともに、精米条件が水浸亀裂に与える影響を検討した。

ページトップへ

  • A-4
  • Measurement of Protein and Moisture Contents in Single-Kernel Milled Rice with NIR Transmittance
  • R. Rittiron(Tsukuba Univ.), S. Kawano(NFRI)

 The effect of DOM on the performance of NIR calibration equation for determining protein and moisture contents in single-kernel milled rice was investigated. The calibration equation developed from spectra of medium DOM kernels caused biases in protein determination when the DOM was varied. This problem could be compensated.

ページトップへ

  • A-5
  • 高水分小麦の粒径選別による水分選別の可能性
  • 金井源太・玉城勝彦・長﨑裕司(中央農研)

 高水分の小麦粒について、選別粒径および選別後の品質の面から検討を行った。29.7~47.3%の試料について目開3.0mmの篩、18.9~46.7%の試料について目開3.2mmの篩にて選別試験を行い、常に篩上が篩下より水分が高く、最大5%程度の水分差を得た。3.0mm篩では篩上が篩下より選別される量が多い傾向であったが、3.2mm篩を用いた場合には水分35-40%程度の時期に篩上下がほぼ同量となり、以降は篩下が多い傾向を示した。

ページトップへ

  • A-6
  • 寒地ハウスにおけるガスコージェネレーションの基本システム
  • 後藤眞宏・中山煕之(北農研)

 加温用の熱と補光用の電力を低コストで供給できるコージェネレーションシステムに着目し、寒地ハウスへの適用を試みた。バックアップボイラーやラジエータなど寒地ハウスへの導入において必要となる基本システムを明らかにするとともに、地温制御方法や補光以外の電力利用についての検討、イチゴの厳冬期栽培の可能性について示した。

ページトップへ

  • A-7
  • 日光温室の熱環境形成機構に関する研究-慣行栽培条件下における熱環境特性-
  • 畔柳武司・山口智治・星典宏・趙淑梅(筑波大)・李天来・須暉(瀋陽農大)

 遼寧省瀋陽市において、植栽密度が密な状態で、夜間補助暖房が用いられて作物栽培が行われている日光温室の環境計測を実施した。日中、北壁への蓄熱量は床面土壌に比べて大きく、逆に夜間は床面土壌からの放熱量が北壁を上回った。また、後屋根においては、昼夜を問わず常に室内側から室外側への熱損失部位となっていた。

ページトップへ

  • A-8
  • 大型温室のパッドアンドファン冷房システムに関する研究-愛知県の花き温室における環境計測結果-
  • 趙淑梅・山口智治・星典宏・畔柳武司(筑波大)

 2002年夏季、愛知県渥美町においてパッドアンドファン冷房システムと遮光カーテンを併用した大型花き温室の環境計測を実施した。測定結果から、外気最高温度が約32℃、最低相対湿度が60%以上において、平均室内気温は29℃以下、葉面温度は外気温以下に抑制されており、明らかな冷却効果が示された。

ページトップへ

  • A-9
  • 融雪システムを有する連棟ハウスの暖房設定室温が融雪能力に及ぼす影響
  • 古野伸典(山形園試)・佐瀬勘紀・石井雅久(農工研)・鈴木勝治(山形置賜総合支庁)

 暖房設定室温(17℃、14℃、10℃)が、融雪能力におよぼす影響について検討した。降雪時における融雪量は、各区とも降雪に応じた経時的な変化が見られ、融雪量の最大値は、17℃区が約2.3kg/m2/h、14℃区が約1.5kg/m2/h、10℃区が約1.4kg/m2/hであった。また、カーテン上部気温が高いほど融雪量が多い傾向がみられた。

ページトップへ

  • A-10
  • ハウス栽培でのコンポストガス施用が作物生長に及ぼす影響
  • 加藤仁・東城清秀・矢野紘子・渡辺兼五(東京農工大)

 コンポストガスに含まれるメチルメルカプタンが、閉鎖空間内での作物栽培において、その生長を阻害することがわかった。微生物を利用した回収装置の他に、活性炭と触媒フィルタでメチルメルカプタンを回収することによりハウス栽培への施用が可能となった。コンポストガスの施用で、ハウス内CO2濃度を高めることができた。

ページトップへ

  • A-11
  • 生葉中の窒素水分迅速診断用近赤外分光分析装置の開発
  • 大倉力(マキ製作所)・宮本久美(和歌山果樹試)

 農業における灌水、施肥量は作物の生育状況のみならず、環境に大きな影響を及ぼす。果樹葉の水分、窒素量を現場で迅速に測定できれば、適量の灌水、施肥を実施できる。波長範囲1.3μ~2.4μm、波長分解能20nm、測定時間10秒以内、重量10kg以内、且つ低価格を目標として近赤外分光装置を開発、和歌山にて温州蜜柑葉により測定試験を行い、良好な結果を得た。

ページトップへ

  • A-12
  • 補助光として用いたLEDが鉢花の花芽保持・分化に及ぼす影響
  • 宮本眞吾・浅野紘臣・世良田和寛・内ヶ崎万蔵(日本大)・林恭子(ヒューネット)

 LEDを補助光として用い、室内のおよそ2.3倍(27.9(μmol/m2·s))の平均光量子束密度を与えてミニバラの花芽の誘導実験を行った。LEDを照射した場合のミニバラに着いた蕾・花の数は照射しない場合のおよそ3倍の蕾・花が着き、総合的な着蕾・着花数で両区間にはおよそ97%有意水準で差が認められた。

ページトップへ

  • A-13
  • 積雪荷重によるパイプハウスの円弧座屈を防ぐための設計-実物大模型に対する載荷実験-
  • 森山英樹・佐瀬勘紀・小綿寿志・石井雅久(農工研)

 積雪荷重によるパイプハウスの被災に対する円弧座屈の影響を調べるために、屋根部を補強したパイプハウスに関するFEM解析および実物大模型に対する載荷実験を行った。ワイヤで屋根部を補強したパイプハウスには座屈耐力も考慮する必要があること、異なる荷重条件による破壊モードの差等を明らかにした。

ページトップへ

  • A-14
  • 台風0221による千葉県・茨城県下の園芸施設構造の被災特性
  • 森山英樹・佐瀬勘紀・小綿寿志・石井雅久(農工研)

 台風0221の通過により、千葉・茨城両県の一部で、園芸施設の被災が多発した。園芸施設構造の被災データの蓄積を目的として、被災した園芸施設に関する現地調査・構造解析を実施した。その結果、被災施設で使用されていた柱梁接合部・基礎の一部は、50m/sの風に対する耐風性を有しないことを明らかにした。

ページトップへ

  • A-15
  • 微細霧噴霧による温室の蒸発冷却に関する研究
  • 石井雅久・佐瀬勘紀・小綿寿志・森山英樹・奥島里美(農工研)

 微細霧噴霧装置で温室内を蒸発冷却し、蒸発冷却法の最適制御について検討した。自然換気温室の内外気温差は約5℃あったが、蒸発冷却温室は外気温まで冷却できた。また、水の粒子は地表面に達する前に気化し、間断噴霧による制御は必要なかった。しかし、蒸発冷却温室の気温は湿球温度には達しておらず、冷却効果を高めるためには噴霧量を増大させる必要がある。

ページトップへ

  • A-16
  • 小規模根域冷却育苗技術の開発-底面給水によるセル成型苗の根域冷却育苗の効果-
  • 長﨑裕司・玉城勝彦・金井源太(中央農研)

 発芽・苗立ち不良や徒長を生じやすい高温期のセル成型苗育苗において、均一なかん水が可能な底面給水に水温13℃の低温水を使用する根域冷却育苗を適用した。レタス苗では地上部がコンパクトな苗が得られ、低温処理をしない苗に比べ生育が良好であることが明らかになった。

ページトップへ

  • A-17
  • 片屋根型プラスチックハウスの温熱環境特性-模型による丸屋根型ハウスとの換気特性の比較-
  • 長﨑裕司・玉城勝彦・金井源太(中央農研)

 側面の開放面積が大きくとれる片屋根型ハウスの換気特性を1/2縮尺模型ハウスで丸屋根型ハウスと比較した。その結果、温度上昇は全開放時で丸屋根型が外気温+3℃に達する場合でも片屋根型は+1℃にとどまり、効率的な換気が行われているとみられた。

ページトップへ

  • A-18
  • ファジィ推論によるメロン果実の外観等級判定
  • 中野和弘・阿部啓太郎(新潟大)・陳青雲(中国農業大)・相田貴子・敖長林・楊迪桂(新潟大)

 JAの出荷基準をもとに画像処理によりメロン外観特徴を抽出し、等級判定指標を探った。メロン画像からの特徴抽出により有効な因子を導出することで、等級判定の基準を構築できた。ファジィ推論による等級判定では総合判定率78.9%となり、メロン等級の自動判定の可能性が示された。

ページトップへ

  • A-19
  • スパイラル杭を用いた高軒高園芸施設の開発
  • 田中誠司・石氷泰夫(熊本農研)

 台風等気象災害に強く、夏場の換気性に優れ農家自らが建設できる低コストハウスを開発するためスパイラル杭を利用した基礎施工と高張力鋼を利用した防風性の高い骨組み等を検討した。スパイラル上部にパイプを溶接した杭は長さ、径、鋼材の厚さが増大すると垂直耐力及び水平耐力が向上した。また、スパイラル杭による基礎と高張力鋼で製作した軒高2.5mのハウスフレームの牽引実験を行い、耐風性が高いことが認められた。

ページトップへ

  • A-20
  • 食品廃棄物を用いた生分解性定植ポットの開発と特性評価
  • 伍強賢(食総研)・鈴木憲治(食総研/福島明成高校)・五十部誠一郎(食総研)・永井光男(日本製鋼所)・矢内徳正・富田哲司(昭和産業)

 水不溶性のとうもろこし蛋白画分を含んだミールを主材料として、射出成型法で生分解性を有する固形成型資材の製造方法を開発した。農業資材への適用を目的として育苗ポットの試作し、強度向上のための食物繊維の添加と乾燥処理の検討と栽培試験を実施した。

ページトップへ

  • A-21
  • 近赤外分光法によるウメ果実の硬さおよび主要有機酸含量の非破壊測定
  • 陳介余・松永隆司・張函(秋田県大)

 梅果実の成熟度の判別に近赤外分光法の利用を試みた。近赤外装置及び光ファイバーを利用して、インタラクタンス方式で梅果実の近赤外スペクトルを非破壊的に測定できた。近赤外スペクトルと梅果実の硬度及び有機酸含量(クエン酸・リンゴ酸)を用いてPLS回帰分析を行ったところ、良好な結果が得られた。

ページトップへ

  • A-22
  • 近赤外分光法による食用担子菌類の培養液中のβ-グルカン測定法の開発
  • 賈俊業・前川孝昭・院多本華夫(筑波大)

 近赤外分光法により担子菌の液体培養中にβ-D-グルカン含有量を迅速測定する手法を検討した。その結果、直線重回帰法(MLR法)と比べて、主成分分析法による部分最小自乗法(PLSR法)が優れ、この方法で作成した検量線ではそれぞれ相関係数r=0.980、検量の標準偏差SEC=2.74、予測標準偏差SEP=2.92の結果が得られた。

ページトップへ

  • A-23
  • 近赤外イメージングによる温州ミカンの腐敗果の識別
  • 中嶌輝子・吉川公規(静岡柑試)

 従来のRGB画像で検出が難しい温州ミカンの腐敗を、近赤外のイメージング画像を用いて識別を試みた。果実の腐敗部と健全部の各スペクトルデータをSIMCA解析した結果、MSC処理した場合が比較的精度良く腐敗を判別できた。この時、判別に寄与した3波長を使って作成した画像は、従来のRGB画像と比較し腐敗部の識別が明瞭な果実が多く、近赤外のイメージング画像による腐敗果識別の可能性が示された。

ページトップへ

  • A-24
  • 近赤外分光イメージング手法による果実原料における異物・夾雑物検知技術の開発
  • 蔦瑞樹(東京大)・高尾智宏(日世)・杉山純一(食総研)・和田行広(日世)・相良泰行(東京大)

 ブルーベリー果実を供試材料とし、果実と異物・夾雑物の吸光スペクトルを比較して両者が識別可能な波長帯を特定した。この波長帯で分光画像を撮影し、各画素の吸光度を算出して二値化処理を行い、異物・夾雑物の検知画像を作成した。画像と実際の異物・夾雑物の位置は良好に一致し、本技術が有効であることが示唆された。

ページトップへ

  • A-25
  • レーザードップラー法を用いた果実硬度の非破壊・非接触測定法
  • 桜井直樹(広島大)・山本良一(帝塚山大)・寺崎章二(松下寿電子)・村山秀樹(山形大)・元村佳(弘前大)・岩谷真一郎・藤路陽(広島大)

 レーザードップラー法は、果実の粘弾性を非破壊・非接触で測定することができる。弾性率(E)を、E=m2/3·f22で求めた。mは果実の重量、f2は第2共鳴周波数である。また粘性は振動減衰率(m·2πf2/Q)を計算し粘性指標とした。Qはf2のピークの鋭さである。

ページトップへ

  • B-1
  • 豚糞尿と有機性廃棄物の混合メタン発酵
  • 松本奈美・濱本修(三井造船)・青木賢二・梅津一孝(帯畜大)

 本研究は完全混合型発酵槽による豚糞尿と有機性廃棄物の混合メタン発酵を、35℃中温発酵において検証した。投入負荷を1.37(gCOD/L発酵槽-日)から徐々に上げていくと、2.47(gCOD/L-日)に達した段階で流出水中のCOD濃度が増加し発酵阻害の兆候を見せた。得られたガス発生量は0.33~0.77(m3CH4/kgVS)であった。

ページトップへ

  • B-2
  • エネルギー収支と経済性による共同型バイオガスプラントの評価
  • 石川志保・干場信司・森田茂(酪農大)・菱沼竜男(高根沢町役場)・館山留男(ドーコン)・羽川富夫(大成建設)・日向貴久(根釧農試)

 別海資源循環試験施設を対象に、総合的なエネルギー収支と経済性による評価を行った。試験研究用の施設ではあるが、経済的スケールメリットの可能性およびエネルギー的な償還の可能性が示唆された。

ページトップへ

  • B-3
  • 繊維性バイオマスを原料としたメタン発酵の高負荷運転実験
  • 織田敦・笈田昭(京都大)

 繊維性バイオマスをメタン発酵によってエネルギ変換することを目的として、混合フスマを原料としてパイロットスケールの一槽式発酵槽で長期メタン発酵実験を行った。この結果、有機物濃度は40g/L、水理学的滞留時間は16.6日までの有機物負荷において正常に稼動し、これより家畜糞尿などを対象としたメタン発酵と同程度の有機物負荷までは発酵可能であることが示された。

ページトップへ

  • B-4
  • 生ごみ・家畜ふん尿を原料とするパイロットプラント-スケール2相式メタン発酵装置のスタートアップ-
  • 馮伝平(茨城科学技術振興財団)・島田敏・前川孝昭(筑波大)・井上武雄(バイオレックス)・渡辺優(シントー)・山本哲也・村上廣美(茨城県科学技術振興財団)

 豚糞尿や生ごみを同時にメタン発酵する装置のスタートアップには原料を少量投入した。発酵槽内のメタン濃度が徐々に増加し、脱離液のVSは投入原料のそれの約10%まで減少した。メタン発酵は順調に進行している。

ページトップへ

  • B-5
  • 近赤外分光法による搾乳時生乳の乳成分,体細胞数,乳中尿素態窒素の測定
  • 川崎正隆・川村周三・伊藤和彦・塚原真己・中辻浩喜(北海道大)・夏賀元康(山形大)

 近赤外分光法を用いて搾乳時乳質の連続測定装置を試作し、測定精度を検証した。その結果、乳脂肪(r2=0.94、以下同様)、乳タンパク質(0.73)、乳糖(0.87)、体細胞数(0.71)、乳中尿素体窒素(0.84)、それぞれの乳質において実用上十分な精度を得た。よって近赤外分光法による搾乳時の乳質連続測定は可能である。

ページトップへ

  • B-6
  • 有機性廃棄物再資源化施設の地域空間配置
  • 東城清秀・能見有紀・加藤仁・渡辺兼五(東京農工大)

 家畜ふん尿を対象とした共同利用型有機性廃棄物再資源化施設の建設場所、設備の機能と規模等についてGISとLCAの手法を用いて検討した。導入施設の4シナリオについて、排出される環境負荷物質の積算データを比較した結果、液肥利用するバイオガスプラントの負荷は少ないことが分かった。

ページトップへ

  • B-7
  • 家畜ふん尿の主体とするメタン発酵における衛生指標菌の消長
  • 松田從三・瀬尾郁江・近江谷和彦・青山英明(北海道大)

 国内9ヵ所21サンプルと、中国5ヵ所8サンプルの消化液を調査した結果、病原体(E. Coli、腸球菌)を除去するには、高温発酵や殺菌槽が有効であった。低温や中温の連続式発酵槽で病原体を死滅させるのは難しいが、ある程度の減少は可能である。

ページトップへ

  • B-8
  • Survival of Verticillium Dalhiae during Mesophilicand Thermophilic Anaerobic Digestion of Dairy Cattle Slurry
  • Ndiaye Mame Faballa, Masanori Koike, Kazutaka Umetsu(Obihiro Univ.)

 Generally, Biowaste harbors pathogenic microorganisms that may be a health risk for people animalsand plants. Anaerobic digestion would make safe the use of effluent as a fertilizer and soil conditioner as long as methods of treatment used both reduc

ページトップへ

  • B-9
  • 水産廃棄物と乳牛ふん尿の混合メタン発酵
  • 山崎世理・桜井俊文(帯畜大)・藤井章(沖縄県庁)・梅津一孝(帯畜大)

 乳牛ふん尿とイカの内臓との混合メタン発酵において本実験ではバイオガス生成量が最大となる最適混合比及び、滞留日数を明らかにすることを目的とした。混合比を5%、7.5%、10%、20%、30%、滞留日数をそれぞれ20日、15日、10日、7.5日とした結果、混合割合5%で、滞留日数15日が最もメタン発酵に適していると考えられる。

ページトップへ

  • B-10
  • 乳牛ふん尿用パッシブ型簡易メタン発酵バックに関する基礎実験
  • 梅津一孝・見世竜慈(帯畜大)・金山公夫(北見工大)・千葉秀俊・田村和久(光化成)

 今回考案された「乳牛ふん尿用パッシブ型簡易メタン発酵バック」は、バイオガスシステムの原理とソーラーポンドの原理を併せ持った簡易ふん尿処理施設であり、実用化に向けて建設費及び維持費の面でコスト削減が実現され、畜産ふん尿問題へ大きく貢献することが期待されている。

ページトップへ

  • B-11
  • 調理用トマトの乾燥-乾燥速度と収縮-
  • 折笠貴寛・中村俊輝・田川彰男・飯本光雄(千葉大)

 熱風とマイクロ波併用により調理用トマトを乾燥し、含水率変化、体積変化および断面積変化について測定した。その結果、含水率200%(d.b.)近傍までは恒率乾燥期間にあり、且つ、体積は含水率の1次、断面積は含水率の指数関数で近似できた。また、恒率乾燥速度を含水率の関数として推算することができた。

ページトップへ

  • B-12
  • 振動がイチゴの損傷および呼吸速度に及ぼす影響
  • 中村宣貴・森良種・椎名武夫(食総研)

 イチゴを供試材料として上下振動が損傷および呼吸速度に及ぼす影響について検討した。その結果、振動によるイチゴの呼吸速度の上昇の要因には振動そのものと振動による損傷があること、呼吸速度と損傷は加速度が大きいほど増加すること、イチゴ果実に発生する損傷は振動周波数により異なり低い周波数ではオセ傷、高い周波数ではスレ傷が多い傾向にあること、などが分かった。

ページトップへ

  • B-13
  • 食品品質の感性評価システム構築に関する研究-匂い誘発脳波の分類についての基礎的検討-
  • 阪田治(茨城県医療大)・林秀杰・橋本光・佐竹隆顕(筑波大)

 本研究では食品感性評価研究の一環として、人間の推論判断機能を模した食品感性受容モデルの開発を行うことを目的としている。人間の食品評価指標として特に嗅覚に注目する。その人間の推論判断機構をモデル化するために、食品の匂いを嗅いだ際の脳波を計測し、食品の違いによる脳波の分類を試みた。

ページトップへ

  • B-14
  • インピーダンス特性による牛肉品質評価の可能性
  • 谷原礼諭・石川智・橋本和博・渡邉朋子・中嶋哲治(香川畜産試)・豊田浄彦(神戸大)・日浦千尋(高知畜試)・新居康生(徳島農水技セ)・岡田栄一(愛媛畜試)・田口圭吾(帯畜大)・松本和典(近中四農研)・岡山高秀(神戸大)

 和牛産肉能力検定(間接法)終了時に枝肉ロース部分のインピーダンス測定を行い、牛肉の新たな品質評価法の一つとして、BISの有効性を画像解析結果とともに検討した。

ページトップへ

  • B-15
  • 活性酸素消去発光(XYZ系微弱発光)による精米品質評価の可能性
  • 蘒原昌司(食総研)・齋藤高弘・高橋大輔・伊藤勝行・志賀徹(宇都宮大)・大谷敏郎(食総研)

 本研究はXYZ系微弱発光を用いた品質評価法の開発を目的とし、発光現象の詳細な検討や精米の脂肪酸度を推定の可能性を検討した。標準試薬の発光特性に基づいた活性酸素消去発光の解析方法を明らかにし、X発光計測による精米の脂肪酸度計測の可能性が示された。

ページトップへ

  • B-16
  • 馬鈴薯表皮および皮下組織の物理特性が内部損傷におよぼす影響
  • 弘中和憲・石橋憲一・熊田健(帯畜大)

 馬鈴薯の内部損傷発生機構を解明するために、加工用の4品種を用いて、塊茎の表皮および内部組織の破壊応力、破壊歪みおよび破壊エネルギーを測定し、損傷馬鈴薯の物理特性を検討した。その結果、損傷を受けにくい馬鈴薯は表皮および内部組織ともに各物理特性が大きな品種であることが分かった。

ページトップへ

  • B-17
  • 珪酸ナトリウムによるオカラタンパク質生分解性フィルムの物理特性の改善(第一報)
  • 院多本華夫・李紅(筑波大)・石川豊(食総研)・前川孝昭(筑波大)

 市販大豆タンパク質のフィルムと比べてオカラタンパク質フィルムの形成にはより多いグリセリン量を必要とした上、フィルムの物理特性は良好であった。しかしこの溶液にドデシル硫酸ナトリウムを添加した結果、オカラタンパク質フィルムの物理特性は100%以上の改善を見た。

ページトップへ

  • B-18
  • 珪酸ナトリウムによるオカラタンパク質生分解性フィルムの物理特性の改善(第二報)
  • 李紅・院多本華夫(筑波大)・石川豊(食総研)・前川孝昭(筑波大)

 オカラタンパク質を主体とした溶液にドデシル硫酸ナトリウムを添加した前報と比べて、珪酸ナトリム(水ガラス)を添加した場合のフィルムの物理特性は大きく改善された。ポリエチレンとCaCO3で作られた市販袋のプラスチックフィルムのレベルまで達した。実用化に残留問題は水蒸気透過性の改善であった。

ページトップへ

  • B-19
  • 泡盛の熟度判定に関する基礎的研究(第2報)
  • 秋永孝義・川崎聖司(琉球大)・田中宗浩(佐賀大)・田邊哲也(FANTEC)

 前報で泡盛の熟度判別が近赤外分光分析で可能であることを示した。3社9種製品について同様の判別を試み、併せて透過反射式の近赤外分光分析装置の適応性を検討した。その結果、泡盛の種類が既知であれば、透過率を計測することで熟度の評価が可能であった。

ページトップへ

  • B-20
  • スカイラジエータを用いた冷房システムの集熱特性と熱負荷除去性能
  • 小綿寿志・佐瀬勘紀・石井雅久・森山英樹(農工研)

 精密温度計測によりスカイラジエータの冷熱集熱特性、エアワッシャ式冷却器の冷却能力を解析した。放射冷却量、外気温、冷媒(水)温度との関係を明らかにし、計算による推定を可能にした。4.0m2のスカイラジエータを備えたシステムの冷却性能は約50~500Wであり予冷時のあら熱除去に有効と判断された。

ページトップへ

  • B-21
  • 寒冷外気による氷片の生成とその利用
  • 近江谷和彦・山田哲・松田從三(北海道大)・手塚正博(北海道立工業試)

 冷熱吸収装置と製氷装置を分離した氷片生成装置を試作し、寒冷外気における実験で外気温-5.4~-9.4℃において、5.3~14.1kg/hの氷片を生成することができた。外気温に対してブライン流量を制御し、熱交換器の伝熱面積を大きくすることにより性能が向上すると考えられ、寒冷外気による氷片生成の実用化が期待できる。

ページトップへ

  • B-22
  • 吊り下げ型緩衝材による青果物の損傷防止に関する研究(第2報)-吊り下げ型緩衝材の振動伝達特性とモモの損傷性-
  • 森良種・中村宣貴・椎名武夫(食総研)・上内茂秋(太洋興業)

 モモを入れた吊り下げ型緩衝材容器をコンテナに詰めた緩衝条件は、慣行包装のモモをフルーツキャップで包んだ後、テーパー型トレイに入れてコンテナに詰めたもの、およびフルーツキャップで包んだモモを段ボール箱に詰めたものに比べ、共振周波数における加速度伝達率の値が小さく、モモの損傷が少ないことが明らかとなった。

ページトップへ

  • B-23
  • 変位拡大機構付き圧電アクチュエータを用いた異物除去装置の開発
  • 工藤謙一・徐世傑・樋口俊郎(東京大)・佐竹利子・柴田恒彦・池田憲政(サタケ)・矢野健(電子精機)

 近年、PL法やHACCPシステムに基づいた総合的衛生管理が行われ、異物混入対策の検査機器や選別・除去装置の必要性が高まっている.本報では、異物除去装置の開発を目的として、従来の圧縮空気を用いた方式に代わる新たな技術としてインパクト方式異物除去技術を提案し、異物除去実験を行った。

ページトップへ

  • B-24
  • 養液循環栽培における除菌システムの検討
  • 李公仁・李菜植・姜泰京・金相喆(韓国農業機械化研所)

 養液栽培における廃液内の病原菌の効果的かつ実用的な除菌技術の確立を目的として膜による除菌システムを試作し、その性能について検討した結果、限外ろ過膜を用いることによって病原菌の一定の除菌効果が得られるとともに温水による膜洗浄は87%まで流量が回復できることが分かった。今後、環境保全の面や肥料代等の経済性の面での改善が期待できる。

ページトップへ

  • C-1
  • ウインドレス畜舎の空気分布に関する研究-CFDによる温度およびガス環境の解析-
  • 星典宏・山口智治(筑波大)

 陰圧換気方式のウインドレス畜舎で保温機器を想定した熱源を設定し、寒冷期低換気量時の舎内の気流、温度分布、温度変化及びアンモニア濃度の挙動を再現する数値シミュレーションを非定常・非等温条件下で行った。換気や保温機器の熱による温度分布およびアンモニア濃度勾配を示した。CFD技術を用いた温熱・ガス環境の分布性予測は適切な生産環境設計に有用と考えられる。

ページトップへ

  • C-2
  • 中国における大型ウインドレス鶏舎の環境制御に関する研究-中国の養鶏の現状と冬季のブロイラー鶏舎における環境計測結果-
  • 星典宏・趙淑梅・山口智治(筑波大)・鄧松林(北京四方公司)

 中国におけるブロイラー養鶏の現状と大型ウインドレス鶏舎の冬季における舎内環境測定を行った。温度環境は比較的良好であったが、鶏舎内壁面での結露あるいは急激なアンモニア濃度の上昇が発生し、冬季の鶏舎内換気制御の問題点が示された。

ページトップへ

  • C-3
  • 中国における大型ウインドレス鶏舎の環境制御に関する研究-冬季の種鶏舎における環境計測結果-
  • 趙淑梅・星典宏・山口智治(筑波大)・鄧松林(北京四方公司)

 2002年度冬季に中国北京市と山東省の種鶏舎における現地測定結果から、鶏舎の換気不足、温度分布の不均一性、高濃度の浮遊粉塵やアンモニアガス等の問題が認められ、良好な飼育環境を作り出すためには、さらに鶏舎の冬季換気制御法を検討しなければならないと考えられた。

ページトップへ

  • C-4
  • 酢酸噴霧による無窓鶏舎内アンモニア濃度の低減(続報)
  • 市来秀之・長谷川三喜・本田善文(畜草研)

 無窓鶏舎で酢酸を噴霧した場合の舎内アンモニア濃度の低減効果について調査した。水のみの噴霧では効果がなかったが、1%酢酸を4分毎に30秒間断続噴霧した場合、鶏舎内のアンモニア濃度は10ppmから5ppmに低減した。試作した超音波噴霧システムは市販システムと比較して、粉塵によるノズルの詰まりで効果が劣ったが、導入コスト(資材費)は10,000羽規模無窓鶏舎では同等で、鶏舎の規模が小さくなると安価になると試算された。

ページトップへ

  • C-5
  • 我が国における牛舎研究の動向-20世紀後半の文献調査より-
  • 森山英樹・筒井義冨(農工研)

 牛舎構造に関する技術は、生産現場における試行錯誤的な開発と、研究機関における学術研究の、2つの流れで蓄積されてきた。生産現場におけるニーズと、研究機関における研究動向の比較を目的として、戦後、我が国で公表された普及雑誌、学術研究誌上の、牛舎構造関連文献を調査した。その結果、牛舎の低コスト建設に関する研究の継続必要性を確認した。

ページトップへ

  • C-6
  • 中国の主要酪農地域における牛体からの発生熱量
  • 川西啓文(日本大)・馬承偉・李保明(中国農業大)・山口智治(筑波大)

 本研究は中国の酪農地域(新彊、内蒙古、黒竜江省、河北省)における牛体からの放散熱量を把握するため行った。体重600kgの牛の顕熱量は烏魯木斉601~1108W、呼和浩特622~1115W、哈爾濱587~1120W、石家庄472~1119W、潜熱量は烏魯木斉130~381W、呼和浩特132~426W、哈爾濱131~419W、石家庄133~434Wであった。

ページトップへ

  • C-7
  • 歩行動作時の乳牛腰部の加速度
  • 佐藤義和(畜草研)・高橋圭二・堂腰顕(根釧農試)・妻木昭則・萩原匡(北海道農業開発公社)

 乳牛の腰部に加速度計を取り付け、4種類の床条件で歩行時の左右方向の加速度を測定し、数値積分によって腰部の変位を算出した。加速度の最大値は4~6m/s2程度、変位の振幅は12~46cmであった。今回の実験では床条件の違いによる加速度や変位の明瞭な差異は認められなかった。

ページトップへ

  • C-8
  • 通路構造による乳牛の歩行状態
  • 高橋圭二・吉田邦彦・堂腰顕(根釧農試)

 乳牛の歩行状態から牛舎通路の仕上がり状態を現場で評価する方法として、歩行速度、歩幅、前後肢接地位置などについて検討した。クロボク敷き、コンクリート縦溝、コンクリート六角溝、通路用ゴムマット敷き、凍結路面の5種類について試験した結果、滑りやすい路面では前後肢接地位置が大きくずれることが確認され、歩行の容易さの評価に利用できると推察された。

ページトップへ

  • C-9
  • 活動量による発情行動の検出
  • 高橋圭二・堂腰顕・草刈直仁・大滝忠利(根釧農試)

 フリーストール式牛舎内の横断通路などに個体情報と活動量を受信できるアンテナを設置して、乳牛がアンテナ設置場所を通過するたびに活動量を頻回収集するシステムを開発し、活動量の変化と発情行動、排卵状況などを検討した。その結果、発情時の活動量は平常時の約3倍となり、排卵を伴う正常発情牛全頭の発情行動をリアルタイムで検出することができた。

ページトップへ

  • C-10
  • ふん尿分離床フリーストール牛舎でのバーンスクレーパ補助パドルの試作
  • 長谷川三喜・市来秀之・本田善文(畜草研)・加茂幹男(近中四農研)・青木康浩・張建国(畜草研)・河本英憲(東北農研)

 通路中央に排尿用パイプを有するふん尿分離床フリーストール牛舎において、バーンスクレーパのふん横移動を規制する補助パドルを試作した。3時間毎のふん搬出において試作補助パドルからのふん溢流は見られず、搾乳牛の通路滞在率、ストール・飼槽利用率の各調査期間の差は少なかった。

ページトップへ

  • C-11
  • 軽量H形鋼の各種柱梁接合方法における耐力比較実験
  • 小川秀雄(神奈川大)

 低コストな畜舎や堆肥舎等への使用が見られる軽量鉄骨部材の各種柱梁接合方法について、耐力・剛性・損傷状況等を確認するための実大フレーム実験を行った。実験により、エンドプレート接合ではプレート厚さの不足による破壊が、柱の上に梁を乗せただけの簡易接合では梁フランジの曲げ発生により使用部材の耐力が生かされないことが、また、簡単な補強金具を設置することで耐力が向上することを確認している。

ページトップへ

  • C-12
  • カラマツ丸太材によるトラスフレームの畜舎への応用-1. 堆肥舎の試作-
  • 干場信司・二階佳奈(酪農大)・小川秀雄(神奈川大)・小林敏道(コバ建築事務所)・菅原智美(マルショウ技研)・苫米地司(北海道工大)・森田茂(酪農大)

 丸太カラマツ間伐材によるトラスフレームを用いて堆肥舎屋根の建設を行い、低コスト化や自家施工の可能性について検討した。その結果、専門作業者のみで作業した場合の人件費を約63%に抑えることができた。しかし、接合金具の材料費の高さが今後の課題である。

ページトップへ

  • C-13
  • カラマツ丸太材によるトラスフレームの畜舎への応用-2. 実大トラスフレームの耐力確認実験-
  • 小川秀雄(神奈川大)・小林敏道(コバ建築事務所)・菅原智美(マルショウ技研)・干場信司(酪農大)・苫米地司(北海道工大)

 カラマツ丸太をトラス弦材に、鋼材をラチス材に使用した2種トラス形式のフレームについて耐力確認実験を行った。耐力決定の主要因はボルトとなること、ボルト間隔が短いと部材割れが生じること、カラマツのひび割れは耐力への影響が少ないこと等を確認した。

ページトップへ

  • C-14
  • 畜舎施設の実大屋根で発生する滑雪の観測
  • 小林敏道(コバ建築事務所)・苫米地司(北海道工大)・干場信司・森田茂(酪農大)・千葉隆弘(雪研スノーイーターズ)

 2000年度から2002年度の3冬期間にわたって、既存畜舎に3種類の屋根葺材を施工し、各屋根における滑雪状況の連続観測を行った。本研究はこの3冬期間の観測結果をまとめるものである。観測では北海道江別市酪農学園大学構内の既存牛舎を対象とした。

ページトップへ

  • C-15
  • ユーグレナ(ミドリムシ)を用いたメタン発酵消化液の処理技術の開発-豚ふんのメタン発酵消化液によるユーグレナの培養-
  • 長峰孝文・亀岡俊則・山本朱美・古川智子・伊藤稔・古谷修(畜産環境技術研究所)

 メタン発酵処理の後に残る消化液の処理が問題となっている。そこで、ユーグレナを用いて、この消化液を処理できるかを検討した結果、消化液でユーグレナは良好に増殖し、アンモニアとリン酸濃度を低下させた。

ページトップへ

  • C-17
  • 凝集及び濾過による畜舎排水浄化の提案
  • 高橋励起・干場信司・猫本健司(酪農大)・畑山皓(ハタヤマ)・森田茂(酪農大)・松本光司(O&R技研)

 畜舎排水(主にパーラ排水)の浄化を目的として、凝集剤と曝気を使用した浄化方法を検討してきた。本研究では、これまでの研究で効果を得られた凝集剤と、機械式濾過機を併用した排水の浄化と、その過程後に曝気処理をした浄化方法の効果を、室内実験にて検討した。

ページトップへ

  • C-18
  • 電気化学的手法を用いた廃水中の窒素・CODの低減
  • 井原一高・金村聖志・渡辺恒雄(都立大)

 塩素発生用DSAとTi/PbO2電極を用いて、廃水中のCODおよび窒素の分解に関する検討を行った。フタル酸水素カリウム水溶液を分解したところ、Ti/PbO2電極を用いた場合に直接酸化反応による低減効果が得られた。埋立地浸出水に対して電気化学的酸化処理を行ったところ、COD、NH3-Nの低減が認められたが、Ti/PbO2電極を用いた場合にNO3-Nの蓄積が増加した。その原因として電極表面での直接酸化反応の関与が示唆された。

ページトップへ

  • C-19
  • メタン発酵脱離液の電気化学的処理に関する基礎検討
  • 井原一高・渡辺恒雄(都立大)

 おからを基質とするメタン発酵後の脱離液の処理方法として電気化学的手法の検討を行った。塩素発生用DSAを陽極とし、6時間の電気化学的処理を行ったところ、アンモニア性窒素はほぼ除去された。CODの除去率は約40%で、残存CODの中では揮発性有機酸の占める割合が大きかった。アンモニア性窒素の分解には、次亜塩素酸による電気化学的間接酸化反応が可能なDSAの選択は適していると考えられた。

ページトップへ

  • C-20
  • The Effect of Ventilation on the Physical Properties of Corrugated Fiberboard Box : Overrall Heat Transfer
  • Ermia SOFIYESSI, Takayoshi AKINAGA(Univ. of Ryukyus)

 The effect of the ventilation rate on the overall heat transfer a Corrugated Fiberboard Box (CFB) was investigated. An increase in the total area ratio of the CFB indicated in increase in the Ventilation rate and thus the overall heat transfer coeficient. The correlation between the effects ventilation.

ページトップへ

  • C-21
  • 生ごみを基質としたメタン発酵消化液による水稲の実証栽培試験
  • 田中宗浩・川崎貴明(佐賀大)・久保田孝・江上修一(南筑後農改セ)・中村修(長崎大)

 生ゴミを基質としたメタン発酵消化液を稲作用の肥料として供試し、肥料品質の確認を行った。その結果、消化液は肥効の発現及び持続時間が比較的短いが、水田作の肥料として利用可能であることが確認された。また、消化液は水口からの流し肥を行うことで均一に簡便に散布可能であることも確認された。

ページトップへ

  • C-22
  • バイオガスプラントより排出される消化液の圃場散布について
  • 岸本正・梅津一孝・谷昌幸・西崎邦夫・高橋潤一(帯畜大)

 現段階では作物の種類やその作業体系での適切な散布技術はまだ完成されていない。欧州を中心に使用されているブロードキャスト、バンド、トレイリングシューの各スプレッダ、浅層型、深層型の各インジェクタの特徴を散布システム確立のための基礎データとして示した。消化液散布に起因するアンモニア揮散や悪臭防止などの環境汚染対策も考慮した散布システムの確立が望まれる。

ページトップへ

  • C-23
  • 放牧酪農における窒素収支の調査
  • 猫本健司・干場信司・山根麻里(酪農大)・望月和親(JA大樹)・森田梨穂(レークヒル牧場)・須藤純一(北海道酪農畜産協会)・松本光司(O&R技研)・森田茂(酪農大)

 放牧酪農を対象に農場全体、糞尿処理および採草地と放牧地の窒素収支を調べた。窒素収支からみて、採草による給餌より放牧の方が効率的な事例があり、その分の投入窒素量を減らすことができる。このことから「放牧」することが「低投入」につながる可能性が示唆できた。

ページトップへ

  • C-24
  • 電位規制法によるバイオガスプラントの安定化
  • 松本奈美・濱本修(三井造船)・高橋潤一・梅津一孝(帯畜大)

 バイオクーロメトリー用の電極等として表面処理により水素過電圧を高めたカーボンフェルトを用いて、電極電位とバイオガス発生との関係について検討した。今回の実験で-0.44V~-0.70V vs Ag/Ag Clの間でガス発生量に有意な差は見られなかったが、バイオガスのメタン濃度にかなり大きな差が見られた。

ページトップへ

  • P-1
  • 低コスト堆肥化施設の開発(2)-ガルウィング型堆肥舎の利用状況-
  • 向弘之(北農研)

 ガルウィング型堆肥舎を利用して温暖期と寒冷期の堆肥化を行った。温暖期には23℃、寒冷期には10~20℃の内外気温差が得られた。材料の最高到達温度は70℃を超え、蒸発水量と乾物分解発熱量との比は、寒冷期においても700~1,000kcal/Lであった。良好な堆肥化発酵が実現された一方で、処理可能量、搬入時の作業性、屋根を跳上げた状態での耐風性などに問題が残った。

ページトップへ

  • P-2
  • 畜舎およびふん尿管理施設における環境負荷ガス濃度調査
  • 長田隆(畜草研)・猫本健司・干場信司(酪農大)・白石誠(岡山総畜セ)・石橋誠(熊本畜産研)・原正之(三重科技セ)

 広域環境への影響が懸念されるNH3、CH4およびN2Oの3物質について、実際の農家における発生実態を調査した。特に養豚・養鶏のふん尿処理からのアンモニアと、搾乳牛・養豚の汚水処理施設からのメタンと亜酸化窒素の放出が顕著であることが確かめられた。

ページトップへ

  • P-3
  • デンマークおよび日本における酪農生産システムの4指標による総合的評価・比較
  • 河上博美(酪農大)・高井久光・Anders Hoejlund Nielsen(デンマーク国立農業研)・干場信司・森田茂(酪農大)

 本研究では、デンマークのオーガニックファームと一般的な酪農家を調査対象として、経済性、エネルギー、余剰窒素、家畜の健康状態の4指標から評価した。また、北海道内の草地型酪農専業地帯のH町、畑酪混合地域のS町との比較も行った。

ページトップへ

  • P-4
  • 搾乳施設の汚水を対象とした低コスト浄化施設
  • 木村義彰・高橋圭二・大越安吾・堂腰顕・吉田邦彦(根釧農試)

 牛乳処理室などから排出されるふん尿混入の少ない汚水を対象とした、低コストな浄化施設の開発とその浄化処理能力を検討した。その結果、本施設におけるBOD、SS除去率は、95%以上で排水基準を満たした。また、活性汚泥沈殿率(SV30)を30%以下になるように曝気槽を管理することにより厳寒期の浄化能も大幅な低下がなく、周年運転が可能であった。

ページトップへ

  • P-5
  • フィターゼによる家畜飼料中のフィチン態リンの分解に及ぼすZn及びCuの影響
  • 郝桂玲・西尾道徳・前川孝昭(筑波大)

 家畜飼料の主原料であるトウモロコシ、マイロ及びダイズ粕中のフィチン態リンのフィターゼによる分解に及ぼす亜鉛及び銅の影響を検討した。飼料原料中の無機リンの生成速度は、いずれも亜鉛と銅の濃度及びpHに大きく影響された。亜鉛及び銅によるフィチン態リンの分解阻害はトウモロコシ(マイロ(ダイズ粕の順に高かった。

ページトップへ

  • P-6
  • 膜分離活性汚泥法によるパーラー・パドック排水の浄化処理-循環率と窒素・リン除去率および寒冷期のシステム-
  • 佐藤義和(畜草研)・中村正斗(北農研)・矢用健一(生資研)・原宏一・西原良一(オリオン機械)

 膜分離活性汚泥処理方式の汚水処理システムの循環率と窒素・リン除去率との関係、および寒冷期のシステムの特徴について検討した。窒素・リン除去率とも循環率を大きくするほど増加したが、実験期間中に汚水の性質が変化したため、循環率のみの効果であるとは判断できなかった。

ページトップへ

  • P-7
  • 植物形態の音響的抽出
  • 水谷孝一・平山康行・工藤功介(筑波大)・奥島里美・佐瀬勘紀(農工研)

 植物形態の非接触抽出のため、測定対象を空間に分布させ音響波を照射した。測定した透過振幅特性と物体の幾何学的な配列・サイズとの関係を調べた。振幅特性と物体の幾何学的な配列・サイズに相関関係があることと、対応する周波数で透過音響波が減衰することを実験的に確認した。

ページトップへ

  • P-8
  • 分散ネットワーク化された音響センサによる気温の領域測定
  • 水谷孝一・糸賀一也・工藤功介(筑波大)・奥島里美・石井雅久(農工研)

 音響センサを分散ネットワーク化して領域測定性に優れる温度計を構成した。屋外100mの直線区間において気温の1次元領域測定を行なった。区間中央に設置した一点測定式の超音波風向風速計での測定値に対して、空間的に平均された気温を測定することの違いが確認できた。

ページトップへ

  • P-9
  • トマト畝間狭通路内の空間的平均温度計測
  • 工藤功介・水谷孝一・赤上晃通(筑波大)・奥島里美(農工研)・平山康行・糸賀一也(筑波大)

 これまで施設内の温度分布を把握するために、音響波プローブを用いた非接触の温度計測を研究してきた。ここではトマト栽培施設の畝間狭通路に音響波プローブを設置し、空間平均温度の計測を行っている。その結果、栽培棚等からの反射・散乱は計測に影響を与えず、栽培施設内でも適用可能であることを示した。

ページトップへ

  • P-10
  • マルチスペクトル画像解析によるカビ(ペニシリウム属)の色の特徴
  • 奥島里美(農工研)・斉藤道彦(食総研)・佐瀬勘紀・石井雅久・小綿寿志・森山英樹(農工研)

 培養した19種のペニシリウムを可視域の420~750nmについて10nm幅毎に撮影した。培地裏面画像の平均強度の波長分布において同種異株間はユークリッド距離が近い値を示した。ただし、異種も近い値を示すことがあり、色に関するユークリッド距離だけで種の同定はできないものの、同種候補を絞ることには利用できると考えられた。

ページトップへ

  • P-11
  • 青果物輸送トラックにおける振動解析
  • 臼田浩幸(筑波大)・石川豊・椎名武夫(食総研)・佐竹隆顕・前川孝昭(筑波大)

 青果物を輸送するトラックの荷台における振動を実測し、周波数スペクトルを抽出した。エアサスペンションを装備したトラックでは、上下振動が抑えられ、上下、左右の2方向の振動解析が必要となった。また、試験スペクトルを作成する際、データのばらつきやS-N曲線を考慮した設定が必要である可能性が示唆された。

ページトップへ

  • P-12
  • 近赤外イメージングによる凍結材料内3次元氷結晶構造の計測
  • 都甲洙・蔦瑞樹(東京大)・杉山純一(食総研)・宮下一成(茨城大)・上野茂昭・相良泰行(東京大)

 本研究のでは近赤外イメージングにより水溶液と動物性細胞質材料の凍結プロセスにおいて、これらの材料内に形成される氷結晶を3次元的に観察し、更に、氷結晶の構造、サイズおよびその材料内分布などについて定量的に計測する手法を確立した。

ページトップへ

  • P-13
  • 製塩用原料海水の濃縮における高圧電場の利用に関する基礎研究
  • 張函・陳介余・松永隆司(秋田県立大)

 食塩製造用原料海水の濃縮における高圧電場利用の可能性について検討した。最適な電場印加条件の下、異なる環境温度および海水濃度に対して蒸発量を調べた結果は、各自の対象区に比べ印加実験区の蒸発は約2倍の効果があった。効率的な原料海水濃縮における高圧電場の利用が可能であることと考えられる。

ページトップへ

  • P-14
  • カントリーエレベータでの籾の超低温貯蔵技術の開発と普及
  • 竹倉憲弘・川村周三・伊藤和彦(北海道大)

 北海道のカントリーエレベータで、籾を氷点下で貯蔵する超低温貯蔵技術の実用化試験を行った。カントリーエレベータで籾を超低温貯蔵する技術は、北海道のような寒冷地の冬季の寒冷外気を用いて籾を高品質保持する貯蔵技術である。籾の超低温貯蔵が行える共乾施設は、北海道で収穫される籾の1割強を貯蔵できるまでに普及してきている。

ページトップへ

  • P-15
  • 生ゴミ用固液分離機の試作とその性能
  • 島田敏(筑波大)・馮伝平(茨城県科学技術振興財団)・前川孝昭(筑波大)

 メタン発酵の発酵効率を向上させる前処理装置として、生ゴミ用固液分離機を試作した。形状及び性状の異なる生ゴミに関して、粉砕試験を試み、本装置によって湿式、乾式共に、最大粒径5mm以下に生ゴミを粉砕できることがわかった。今後、小供給量の節付など実用性を配慮して、効率的な粉砕・固液分離の条件を探る。

ページトップへ